いまこそ医療・福祉の資格をとろう
一昔前まで、医療・福祉の仕事に対して、社会一般が抱くイメージには、マイナスの要素が多くつきまとっていました。
一時期、流行語にもなった「3K(きつい・汚い・危険)」などは看護婦(士)に必ずつけられた形容詞だったものです。
確かに、昨今の非加熱血液製剤や大腸菌0−157、また病院内感染などの騒動を見るまでもなく、日本の医療・福祉行政は、欧米はじめ世界の先進諸国に比べ、とても十分とはいえない状況にあります。
厚生省など二流官庁の代表のようにいわれた時期もありましたし、厚生予算そのものも通産省や建設省に比べれば貧弱なレベルにあったのも現実です。
しかし、成熟した先進資本主義国である日本の国民には、相応のレベルの権利意識と生活実感があり、超高齢化社会を目前にして、モノを所有・消費したいというよりも、生活の快適さ・クオリティの向上を求めることに関心を移しています。
そして、世界に類を見ない速度で進む日本社会の超高齢化構造を反映してか、何よりも医療・福祉サービス体制の充実を求める声が高まっています。
頑迷な官僚行政も政治も、これにはある程度こたえざるを得ないわけで、さまざまな矛盾と欺瞞を含みつつも、医療・福祉に関するシステム・技術は大きく変わろうとしています。
こうした環境の変化のなか、医療・福祉の仕事=3K、というイメージの多くは過去のものとなりつつあります。
過去の誤解の多くは、医療や福祉にかかわる仕事が「患者や老人・障害者のお世話をする仕事」としてとらえられ、社会がその専門性を認めていなかったことにも一因があるのではないでしょうか?
医療・福祉サービスは必然的に病み衰えた人々に接するわけですが、その衛生技術が未発達であったために「病気に触れる危険な仕事」として認識されたために生じた誤解ではないでしょうか。
これらの大半が誤解や認識不足であったことを裏付ける証拠としては、最近の医療・福祉に関する資格取得ブームがあります。
とくに若い女性たちを中心に、医療・福祉に従事するための資格を(ときにはOL勤務さえこなしながらも)取得する動きが大きくなっているのです。
この資格取得ブームの原因としては、ひとつにはバブル崩壊後の不況があります。
一般企業における女子社員の雇用減少・リストラや再就職の難しさなどを背景に、何ひとつ手に職をもたないことの不安定さ、不利さを彼女たち自身が痛感しているからでしょう。
そして、どうせ資格をとるならば、もっとも雇用が多く、需要も安定した職種として、医療・福祉の分野に視点がしぼられていったことは想像に難くありません。
同時にもうひとつの要因として、医療と福祉の職場自体が、貧弱であると言われてきた給与・待遇・衛生環境などの改善を、自ら率先して一斉に行ってきたことも挙げられます。
社会に浸透してしまった3Kなどの悪いイメージを改めることが、高齢化を迎える日本の社会を支えるうえで、職員の確保のためにも第一に実施しなければならない条件であったからです。
この成果か、最近では、前述の看護婦(士)でさえも量的な不足は緩和されつつあるといわれます。
また、文部省と厚生省が一体となって実施する高等教育計画に後押しされた形で医療・福祉教育機関の大学化・短大化なども、少しずつ実現しています。
いまや医療・福祉に携わる仕事は、高い専門性を備えて安定した雇用待遇を受けられる職業として、女性のみならず広く世間の注目を集めはじめているのです。
とはいえ、まだまだ社会全体の必要を満たすには、ほど遠いというのが現状です。
同時にこれからは、量だけではなく質の面からも満たされた医療・福祉サービスが望まれてきます。
良質のケアやサービスを提供するためには、より質の高い専門教育を受けた人材を集める必要があり、雇用に際しての資格の有無は一層重要になってくるでしょう。
言いかえれば、いまこそ医療・福祉分野で生きていこうという人々にとって「資格をとるチャンス」であるとも言えるのです。
良質な養成機関を見つけ、自分に適した資格をいまのうちに取得しておくことは、今後有利であることは間違いありません。
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